特集 在宅褥瘡ケア、ここを意識するとこう変わる—皮膚・排泄ケア認定看護師に聞いた! 現場で効く知恵と技
—【状況別:管理困難にさせない知恵と技❶】—病院から在宅移行の「初動」を手厚くする
瀧井 望
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1公益財団法人日本訪問看護財団立あすか山訪問看護ステーション赤羽支所
pp.723-731
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201282
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在宅において褥瘡発生は、療養者および家族のQOLに大きく影響を及ぼします。日本褥瘡学会での疫学調査*1によれば、訪問看護ステーションにおける褥瘡発生率は、2013年の2.08%から2016年の0.91%へと激減しています。しかし筆者の訪問看護の経験からは、終末期と診断され、骨突出や浮腫、疼痛や呼吸困難による得手体位などリスク因子を抱えていても、さまざまな事情により、適切な体圧分散寝具が選択されず、褥瘡が発生しているというケースはいまだ多いと感じています。
また、緩和ケアを必要とする人の3人に2人は非がん疾患です*2。高齢化の進行で、老衰を含む非がん終末期患者は増加すると予想されます。がん末期患者であれば医療保険での訪問看護となり、十分なケアの提供が可能ですが、非がん終末期患者は限度額が決まっている介護保険での訪問看護です。そのため、医療依存度の高くなった末期心不全などの非がん終末期患者には、褥瘡の予防的な関わりなどを含む十分な緩和ケアを提供することが難しい実態もあります。
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