訪問ほっとらいん
タイにおける介護ボランティアの活躍
辻 京子
1
,
上野 加代子
2
,
大西 美智恵
1
1香川大学医学部看護学科
2東京女子大学現代教養学部国際社会学科
pp.352-353
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200924
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日本の高齢者比率は世界1位であるが、タイの60歳以上の高齢者割合は1980年の3.7%から2005年には7.7%、2015年には10.5%に上がり、日本を凌ぐスピードで高齢化を迎えている*1。タイの高齢化は経済発展を遂げる前に進んでいるため、高齢者の貧困や介護問題が深刻になりつつある。
日本では、2000年に介護保険法が施行され、家族介護から社会全体で介護をしていく方向に転換した。一方、タイの社会保障は、15歳以上60歳未満の民間被用者を強制加入とし、農民や自営業者は任意加入である。年金は、公務員や軍人、民間被用者を対象とする老齢給付、企業年金などがあるが、農民や自営業者、無業者への公的年金制度はなく、年齢に応じて老齢福祉手当が支給されている。また、公的な介護保険のしくみは存在せず、高齢者は十分な介護を受けることが困難な状態である*2。
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