巻頭カラーグラフ 終える命 つなぐいのち・第4回
ふたつの大舞台
國森 康弘
pp.533-537
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200227
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まんまるな目玉がふたつ、ゆっくりと天を仰ぎ見る。部屋には、目には見えないが、何だかあたたかでしっとりした空気がじんわり、流れていた。重症心身障がいを有する人たちがおおぜい暮らすびわこ学園。そこでなるみさんに出会った日、曾祖母のひでさんの話をしたときのことだ。
ひでさんは、数年前に亡くなった。生前にご縁をいただいて、笑顔の写真を撮らせてもらったことがある。当時、御年98歳。寝たきりになるまでは、4世代で暮らす自宅で、脊髄小脳変性症という進行性の難病を抱えるひ孫・なるみさんの身のまわりのことを、日々、ひでさんが面倒みていた。
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