連載 介護することば 介護するからだ 細馬先生の観察日記・第40回
不思議なことが起こっている
細馬 宏通
1
1滋賀県立大学人間文化学部
pp.900-901
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200034
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先日、第78回日本心理学会(京都市・同志社大学)で、行動の観察に関するシンポジウム「観察から論文へ—行動の時間をいかに記述するか」を開いたら、10以上の別のシンポジウムがあったにもかかわらず満員になった。
これは、とても意外なことだった。というのも、心理学では従来、質問紙調査や実験を中心とした研究が多かったからだ。実際の現場に出て、そこで起こる行動をひたすら観察するなどというやり方は、関係する要因が多すぎて研究にならないと思われているのではないか。そう思っていたのだが、どうやら心理学者のなかにも、そろそろ実際の行動が気になり始めている人が増えているらしい。
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