連載 一器多用・第16回
「職場いじめ」からの脱出
岡田 慎一郎
pp.832-833
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102311
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10数年前、職場で「いじめ」を受けていました。身体障害者療護施設に7年ほど勤めたあと、同法人内で異動した先の高齢者デイサービスでのことです。私を含めて正職員が4名、パート職員が6名、計10名の小さなデイサービスでした。送迎のパート職員以外は、全員女性です。特別養護老人ホームに併設された施設でしたが、たびたびの増築の末にできた場所にあり、特養本体とは物理的距離もあって、交流もあまりないようでした。いわば、閉ざされた小さな密室のような場所だったのです。
デイサービスへの異動はもともと、将来の管理職として経験を積んで成長することを目的としたものでした。男性介護職員の多くが将来への不安から30歳前後で辞めていく現状に対して、将来設計も立てやすい管理職へと養成しようとする上司からの提案だったのです。ちょうど、自分なりの介護の理想も芽生えてきたころでしたので、よいチャンスだと引き受けたはずが……。
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