連載 介護することば 介護するからだ 細馬先生の観察日記・第10回
口の形は物語る
細馬 宏通
1
1滋賀県立大学人間文化学部
pp.440-441
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102201
- 有料閲覧
- 文献概要
以前は自分でスプーンを持っていたイウチさんだが、最近では食器を持つのも難しくなり、職員さんがつきっきりで食事介助をするようになった。スプーンに小盛にしたミキサー食を、一口ずつ口元に運ぶ。イウチさんが口をすぼめるので、そのタイミングですっとスプーンを口に入れる。
私も一度介助をさせていただいたのだが、なかなか難しい。「一口」と言っても、人によっても、その日の体調によっても、その量は違う。最初はスプーンにすり切りくらいで口元に運んだのだが、小さくむせられると、ちょっと減らしたほうがいいのかな、と思う。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.