小児外科医の独白・2
結合体双生児(チャンとエンの物語り)
角田 昭夫
pp.228-229
発行日 1991年2月20日
Published Date 1991/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900379
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チャンとエンの物語り 拙著『小児疾患と文学』1)では,4章と5章とを「結合体双生児」にあて,後のほうで1941年のSGOに載ったLuckhardtの論文2)を紹介した.純然たる医学論文なのだが,「チャンとエン生涯のスケッチ」という副題からもわかる通り,物語としても大変面白いので,拙著との重複をご勘弁願ってさわりを書くと…….
この有名な胸腹結合体双生児は,1811年バンコックの南にある部落で生まれたため,英語では小説や教科書にまでも良く使われる「シャム双生児」の語源となった.しかし正確には,3/4は中国人の血が流れていたという.赤ん坊の頃,双生児をつなぐバンドは短くて,お互いに寝る姿勢にも窮屈だったが,これが次第に伸びてきて,後ろ向きになれるまでになった.
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