連載 症候学メモ余滴・16
会議の構成人員数が物語るもの
平山 惠造
1
1千葉大学
pp.391
発行日 1997年4月1日
Published Date 1997/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901100
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会議といってもいろいろある。開催時期からみて,毎月のように定期的に開催される定例会議と,ある特別な審議事項が生じて開設された臨時会議とがある。前者は情報交換や定期的に生じる案件に対応するもので,いわば事務処理会議であり,まずは重大な事項を審議,決定することはない。一方,後者は将来に向けての国家の政策や企業の経営方針を取り決めるような,その存亡にかかわる重大な会議である。結論が出れば解散する。定例会議が権威をもち,臨時会議は補足的のように感違いされがちであるが,実際の会議の重要さは逆である。かつて土光臨調といわれた第一次臨時調査会議は臨時会議の代表であろう。
世界の先進7か国の政治家のトップが年一回集まるサミットは,当初は臨時会議であったが,その後は年一回の定例会議となった。しかもトップが集まって審議するというよりは,水面下での準備がなされて,サミット自体は儀式になってしまった。
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