特集 小児在宅ケアが変わる
―ひばりクリニックとレスパイトケア施設「うりずん」の現在―NPO法人「うりずん」が誕生します!
髙橋 昭彦
1,2
1ひばりクリニック
2重症障がい児者レスパイトケア施設「うりずん」
pp.226-227
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102139
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2011年3月、東日本大震災のその日。私は宇都宮市内で、ある脳性麻痺の子どもの訪問診療中でした。突然の激しい揺れがしばらく続き、棚のおもちゃはすべて落下。しばらく子どもの上に覆いかぶさっていました。余震が頻発していたため、ご自宅のワゴン車への避難をお手伝いし、予定の訪問を続けました。
重症障がい児者レスパイトケア施設「うりずん*1」ではその日、人工呼吸器をつけた低酸素性虚血性脳症の子ども1名のお預かり中でした。激しい揺れに、棚のすべての物品は落ち、壁土は剥げ落ち、脱出路はふさがってしまいました。すぐに、スタッフが子どもを抱き、別のスタッフがバッグを押して、掃き出し窓から避難。ありったけの布団や毛布、呼吸器、吸引器を出して屋外待機し、無事に家族のお迎えを待つことができました(写真1)。
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