映画の時間
—戦後70年,沖縄は問いかける─戦争に翻弄されてきた沖縄の近現代史を見つめ,人々の尊厳を伝える—沖縄 うりずんの雨
桜山 豊夫
pp.501
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208227
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今年は戦後70年,天皇陛下は皇太子時代から忘れてはならない慰霊の日として,広島に原爆が投下された8月6日,長崎に原爆が投下された8月9日,終戦記念日の8月15日と併せて,6月23日の沖縄戦終結の日を挙げられています.第2次世界大戦が終わってから70年を迎えるこの節目の年に,沖縄の近現代史の理解を深める映画「沖縄 うりずんの雨」をご紹介します.
1853年,浦賀来航に先立ってペリー提督が沖縄を訪れた歴史から映画が始まります.1854年に,日米和親条約と並行して琉球とアメリカの間に琉米修好条約が締結されますが,その後の明治維新の際に,琉球藩,次いで沖縄県が設置されて,琉球王国が消えていきます.米軍基地の問題に関連して,第2次世界大戦の沖縄戦以降の歴史についてはよく報道されますが,それ以前の沖縄の歴史について,ややもすると関心が薄い傾向があります.琉球処分と言われる歴史についても理解をしておく必要があると感じます.
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