巻頭インタビュー ケアする人々・8
年齢や障がいを超えて提供する24時間365日の地域生活支援―「わが子のために」が「みんなのため」に
西田 良枝
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1社会福祉法人パーソナル・アシスタンスとも
pp.185-191
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102129
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娘の江里さん(22歳)が、生まれてまもなく、原因不明の代謝異常による脳疾患であることがわかった。寝かせておけば寝たきり、言葉を使ってのコミュニケーションがとれず、食事・排泄などすべてに介助が必要な重度心身障がいがある。
それから22年、江里さんは、地域の子どもたちと同じ幼稚園、小学校・中学校の普通学級に通い、今では「とも」が運営する駅前の地域活動センターに勤めながら、自宅での暮らしを続けている。千葉県浦安市でこのような選択をしている障がいをもった人は、江里さんだけではない。「普通にみんなと育てたい」。同じ思いをもつ、千葉県浦安市の障がい児の親たちと奮闘してきた。
その道のりは険しかった。障がいをもつ子を地域で育んでいくには、実に多様な24時間365時間の支援が必要だ。しかし、その仕組みはまるで整っていなかった。「だったら、自分たちでサービスを提供しよう」。今ではその支援は、“わが子”に留まらず、障がい者、高齢者、子育て中の母親などにも広がる。手助けを必要とする誰にでも、1人ひとりに合わせたサービスを提供するようになった。
この活動が注目を集めている。
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