特集 “時代のキーワード”で読み解く 「超高齢社会」「多死時代」とは?
―【キーワード➋】「息子介護」「変わる親子関係」―“シングル子”と同居する高齢者家族の介護危機―旧来の家族観から脱却を
春日 キスヨ
1
1松山大学人文学部社会学科
pp.119-123
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102110
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急激な家族の変化 変わる介護問題
“シングル子”と同居する高齢者が増えた
高齢の親と同居する中高年シングルが増えている。65歳以上の高齢者のうち「子夫婦と同居」の割合は1989年の42.2%から2010年17.5%へと大幅に減少し、一方、「配偶者のいない子と同居」の割合はこの間17.6%から24.8%へと上昇した(図1)。いまや高齢者世帯の4世帯に1世帯はこうした世帯である(国民生活基礎調査、2010)。
しかし、こうした家族が介護問題を抱えたときの困難は、世間に十分理解されていないところがある。それには、過去10数年間の介護家族をめぐる変化があまりにも急激で大きなものだったため、支援者を含めた人々がもつ“家族観”が現実に即応していない状況が関わっている。
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