連載 一器多用・第5回
心が身体に出る
岡田 慎一郎
pp.876-877
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102018
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先日、虐待を受けた子どもたちが暮らす施設にうかがいました。ある会合で知り合った児童精神科医と臨床心理士の方に、職員向けの講演をと招かれてのことです。
聞くところによると、子どもたちのケアは、「心理面」からの言葉によるアプローチが中心で、「身体面」からの試みは少ないそうです。もちろん、臨床心理士らによる週1回の個人面談をきっかけに、心がひらかれてきた子どもたちも大勢います。ただ、職員の方々が気になっていたのは、たとえばスポーツや音楽、畑仕事などの身体を動かしながらの活動では、室内での面談では得られない表情、気持ち、言葉がよく見られるということ。そこで、身体面からのケアも充実させたいと、異分野からの発想も必要ではないかと話し合っている矢先に、私との出会いがあったということでした。
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