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増大号 計測する項目と記録断面がわかる! 病態別・類似疾患別心エコー検査のルーティン
各論(心エコー類似所見別または病態別)
5章 高心拍出性心不全
高心拍出性心不全
High output heart failure
柳 善樹
1
1独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター 臨床検査科
pp.471-475
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202978
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基礎知識
心不全患者の多くの心拍出量(cardiac output:CO)は正常か低下しているが,CO高値にもかかわらず,浮腫や労作時息切れなどの心不全兆候を呈する症例も存在し,それらは高心拍出性心不全〔CO>8.0L/min,心係数(cardiac index:CI)>4.0L/min/m2〕といわれる.心不全症状を有し左室駆出率(left ventricular ejection fraction:LVEF)が保持された心不全においては,鑑別として高心拍出性心不全も考慮する必要がある.COの計測を行ってこれを疑うことは重要であり,そのなかでも心エコーの役割は重要である.
高心拍出性心不全は体血管抵抗(systemic vascular resistance:SVR)の低下によって生じるとされ,肥満,貧血,甲状腺機能亢進症や脚気など種々の疾患が要因となる1,2)(表1).
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