研究報告
認知症に対する介護老人保健施設の機能―第一報:介護機能の調査
赤沼 恭子
1
,
関田 康慶
2
,
目黒 謙一
1
1東北大学大学院医学系研究科高齢者高次脳医学
2東北大学大学院経済学研究科医療福祉システム分野
pp.895-901
発行日 2010年11月15日
Published Date 2010/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101727
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認知症に対する介護老人保健施設(以下,老健)の機能を明らかにするために,介護機能として入退所状況,入所理由,退所困難な理由,在宅介護サービス利用が入所に及ぼす影響を調査した。2007(平成19)年東北6県の全国老健協会正会員330施設件を対象に,郵送法によるアンケート調査を施行,70件(21%)の回収があった。その結果,入所者は75歳以上の後期高齢者が8割以上を占め,認知症自立度においては9割以上がなんらかの認知症があると判断され,その半分は日常生活に支障を来す症状があり,介護を必要とするレベルの重症認知症であった。自宅復帰という本来の役割で老健を利用している認知症高齢者は少なく,家族の身体的・精神的負担などの介護負担を軽減させるために利用していた。
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