特集 2010年診療報酬改定を理解する
2010年診療報酬改定で何が変わるか?―「訪問看護」の今後の方向性を読む
山田 康夫
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1国立保健医療科学院経営科学部
pp.414-423
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101615
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はじめに
筆者が,都市近郊の医療法人の訪問看護ステーション開設と,開設後1年間の経営サポートを担当したのは,訪問看護ステーションの制度創設(1992年)から間もない1990年代半ばであった。まだ患者の「訪問看護」の認知度も低く,その十分な経験のある看護職も少なかった。一方で,新ゴールドプラン(新高齢者保健福祉推進10か年戦略)の重点項目にも盛り込まれて,訪問看護ステーションの開設自体に困難は少なく,職員確保と地域連携による患者獲得ができれば,報酬改定などあまり気にしなくてもよい時代であった。
その後,介護保険制度が創設され(2000年),訪問看護ステーションの施設数も利用者数も伸び悩んでいるが,従来ステーションが担っていた訪問介護の役割がはずれ,より医療度あるいは看護必要度の高い利用者に絞り込むことができたとも言える。
本稿では,2010年度診療報酬改定と今後の展望を通じて,訪問看護ステーション経営の方向性について考えたい。
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