特集 多様なニーズに応える訪問看護
排泄コントロールは看護師の判断で―訪問看護ステーションコスモスの実践
奥本 愛美
1
1訪問看護ステーションコスモス
pp.264-267
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101575
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食は生活のなかで大きな役割をもち,人が生きていくうえでも大切です。その食事をよりおいしく,十分な量いただくためには,適切な排泄コントロールが欠かせません。適切な排泄のリズムを整えるため,訪問看護師が介入し,コントロールしていくことは多くあります。
ただ,排泄というプライベートな領域を他者に委ねることなく最期まで自立していたいと考える人は多く,高齢であっても,麻痺があり身体を思うように動かせなくても,排泄に関しては自分の強い意思と羞恥心をもち続けていると考えてよいでしょう。「この歳になって,人様に下の世話になるなんて……」という言葉を聞くときや,動かない手で必死に陰部洗浄を阻止しようとする姿をみるとき,そのことに改めて気付かされます。
目の前の人を少しでも「楽にしてあげたい」「日々の生活を穏やかに過ごしてもらいたい」と願うあまり,ついつい力が入り看護師本位のケアになっていることもあるため注意が必要です。排泄ケアはその人の思いに配慮しながら,謙虚な気持ちで取り組まなければなりません。
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