連載 訪問看護師による看取りの検証・6【最終回】
課題を残した事例
菊井 和子
1
,
菅崎 仁美
2
,
大橋 奈美
3
,
長谷 起世子
4
1関西福祉大学看護学部
2岡山訪問看護ステーション看護協会
3訪問看護ステーションハートフリーやすらぎ
4関西福祉大学看護学部
pp.220-224
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101564
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本連載の第1回(本誌14巻10号)で述べたように,戦後の日本社会は病院で死ぬのが「あらゆる手段を尽くしたまともな死」という文化を育ててきた。不治の病であればなるべく自宅で過ごしたいと考えていても,最期の時は病院やホスピスに入院することを希望する人は多い1)。
心臓マッサージや人工呼吸器装着などの蘇生手技が,いわば臨終の際の儀式のように定着している今日の社会で,あえて「自宅で死を迎えることを決断」することには,本人も家族もケア提供者も不安や疑問が一杯である。
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