特別記事
父の介護をめぐる家族の思い
百々 雅子
1
1山梨県立大学看護学部(看護関連科学領域)
pp.482-486
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101348
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父は一昨年11月小さな町の住み慣れた家で,結婚62年目の母と娘である私の妹に看取られて亡くなった。
その5年近く前に脳内出血が起こり,それまでの健康に恵まれた夫婦二人の生活が一変した。入院生活は困難続きであった。町に1つしかない総合病院に入院したが,あいにく脳外科がなく内科病棟にいることになった。夜間にせん妄が出て不穏が続いたとき家族は対応に困り,先が見えないための不安も経験した。当座の入院期間を過ぎ,身体には大きな障害は出なかったが,極度の失語や見当識の低下といった後遺症を抱えて在宅の生活が始まった。
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