特集 収支からマネジメントを読む
訪問看護ステーションの可能性を拓く―在宅の重度難病者(人工呼吸器装着)への取り組み
山崎 京子
1
1秋田県能代山本訪問看護ステーション
pp.113-116
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101003
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能代山本訪問看護ステーション(以下,当ステーション)は,1995(平成7)年に秋田県の能代市に,能代市山本郡医師会立として開設された。医師会立であるため1市3町(人口約10万)がエリアであり,訪問する距離は半径30km,雪の積もる冬期には訪問に片道1時間かかることもある。
医師会立ではあるが,当初より事業者は経営を管理者に一任することを約束し,完全独立採算制をとっている。毎月,訪問看護事業収益,資金繰り表,月次決算報告書,損益計算書,貸借対照表をはじめとした諸表を仔細に検討し,事業収入(利用者の増減や行なうケアの特徴,一件単価)と経常支出(職員の給料,諸経費)をチェックしているが,ここ数年は糖尿病の独り暮らし,糖尿病と認知症の二人暮らし世帯が増え,毎日注射に入らなければならないにもかかわらず限度額制限もある。毎日30分の早朝訪問は時間外訪問になり,給与を支払う側も訪問する看護師も大変な割には単価が安い。このようなケースが多くなると,毎日のことであり平均単価はぐっと引き下げられてしまう。しかし,ほかの誰に代わってもらうこともできず,経営は赤字ではないがかつてより状況はよくないことが見て取れる内容である。
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