連載 わが憧れの老い・12
フランシス・ジャム 信仰と愛を素朴に湛(たた)えた老い
服部 祥子
1
1大阪人間科学大学
pp.796-799
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100916
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フランシス・ジャムとの出会い―18歳の悩みのなかで
大人の多い家族のなかの最年少だった私は,幼少期から人につながり,人に囲まれて生きることが好きだった。はにかみと不器用さゆえに,ともすれば人から遅れがちだった子ども時代,私はいつも置いてきぼりにされまい,見棄てられまいと思って,ただ懸命に人の後について走った。
中学・高校時代には誰にも打ち明けられず,ひとり胸に抱く個人的な悩みも人並みにもったが,友人に恵まれた日々は限りなく揺れ動きながらも,限りなく生き生きとしていた。
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