特集 在宅経腸栄養/PEG利用者の支援
経腸栄養について在宅医療職が知っておきたいこと
吉野 浩之
1,2
,
吉野 真弓
1
,
水田 耕一
2
,
河原﨑 秀雄
2
,
太田 秀樹
1
1医療法人アスムスおやま城北クリニック
2自治医科大学移植外科
pp.994-1003
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100727
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はじめに
かつては,食事や水分が摂れなくなることは,人生の終わるときを意味していたが,経腸栄養(経管栄養)法や静脈栄養法の発達により,摂食・嚥下機能に障害がある患者でも,元気に生活していくことができるようになってきた。今日では,単に生命を維持することだけではなく,よりよいQOL(Quality of Life)のため,栄養法に新しい技術の導入や工夫が重ねられるとともに,栄養剤の開発も進められている。その結果,経腸栄養を行なっている在宅療養者も徐々に増加しつつある。
しかし,経鼻胃管や胃瘻などの栄養剤の投与ルートをどうするか,栄養剤は何をどのくらい投与したらいいのか,そもそもこの患者は胃瘻の適応なのかといった,根源的問題は置き去りにされがちである。
また,在宅医療においては,訪問看護師や介護職が,点滴や胃瘻のことは医師の指示通り,栄養のことは栄養士に任せきりにということではなく,基礎的な知識を身につけ,主体的に関わっていくことが重要である。
そこで本稿は「在宅療養者をみる際に必要な,栄養についての実践的な最低限の知識」を示すことにする。したがって,栄養の専門家からはご批判もあるかと思うが,あえて「専門家ではない在宅医療関係者が,現場で即座に応用できること」にこだわって,クリアカットに解説した。
さらに,最近では在宅医療を受ける小児の患者も少なくないので,小児の在宅生活に必要な栄養の注意点も付け加えておく。
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