連載 在宅で必要なクスリの知識と服薬のコツ・12
非ステロイド抗炎症薬
藤澤 節子
1
1ひまわり薬局
pp.232-235
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100643
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痛みがとれたらいいのに!
「この痛みがとれたらね!」「この痛みで,何もする気がしないの!」「痛くて,5メートル歩くのもやっと……」など,鎮痛薬が切れると痛みで生活が押しつぶされそうになったり,薬を使ってもすっきりと痛みがとれず,1日中痛みの中で暮らしている高齢者がたくさんいらっしゃいます。高齢になると,疾患が重なり,痛みによって行動が制限されることがしばしばあります。
痛みの原因は,炎症,関節の変形,リウマチ,腰痛,感染症,骨折,骨粗鬆症,糖尿病性神経症,糖尿病による壊死,歯痛,頭痛,がん,脳出血の後遺症,神経痛,胃痛など多岐にわたります。鎮痛薬は,対処療法で病気の本質を治すわけではありませんが,高齢者ができるだけ早く,長い時間,痛みから解放されることは,生活の質を考えるときにとても大切なことです。もちろん,病気の治療を優先させる必要がありますが,痛みの性格を見極め,的確に痛みを止め,日常生活を少しでも快適に暮らせるように鎮痛薬の特徴をよく理解して,手助けしてあげて欲しいと思います。また,痛みはあくまでも主観的感覚なので,痛みによる不安を解消することで,痛みを軽減できることもあります。抗うつ薬・抗けいれん薬・睡眠薬などと上手に組み合わせて痛みをとることも大切です。
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