特集 入退院をめぐる病院との連携
病院リーダーナース研修報告―病院ナースがステーション理解を深めるための試み
櫻井 順子
1
1訪問看護ステーションやまなみ
pp.200-203
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100638
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はじめに
訪問看護制度がスタートして10年が経過し,訪問看護ステーションは在宅ケアの中でも医療系サービス事業の中心的役割を担っている。
地域の中で在宅看護の必要性が認識され,看護教育でもカリキュラム改正により在宅看護論が専門科目として位置づけられてから5年が経過した。在宅看護論では,在宅医療を支える社会資源を活用し,保健・福祉・医療の連携の実際や生活の場を知り支援の実際を学ぶほか,施設内看護と在宅看護の違いを知る,保健・医療・福祉チームの中での看護の役割を知るなど,充実したカリキュラムのなかで学生は学ぶことも多く,訪問看護ステーションや在宅介護支援センターなどでの実習も拡大している。
しかし,実際に病院の中で働く看護職の多くが在宅看護を熟知し,継続看護の必要性や訪問看護の役割,生活の質を考慮した退院指導の必要性などを理解し援助しているかは疑問である。生活の質を考慮した支援が病院から在宅へ円滑に結びつけられるためにはどのようにすべきかは,多くの訪問看護ステーションが抱えている問題であると思われる。
当ステーションでも病院との連携をスムーズに行ない,個別性のある生活支援をどのようにしたら行なえるか模索したところ,病院側から,訪問看護ステーション看護師がどのような役割や援助を行なっているのか理解できないとの意見を聞いた。このような現状を打開するため,病棟リーダーナースの訪問看護ステーションでの同行研修を実施したので,本稿ではその実践について報告する。
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