特別記事
介護者を地域でサポートするしくみを探して―アラジンの活動紹介
牧野 史子
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1NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジン
pp.685-688
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100547
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はじめに
■介護の苦労話を聞いてもらいたい!
「子どもには,迷惑をかけられないからねえ」
「そうなんですよねえ……」
「役所の窓口では,相談しても『それ(夫の介護)はね,息子たちに面倒をみてもらえばいいんですよ』って言われてしまうんですよ」
「そうそう」
「自分の頭もおかしくなりそうになりました」
「ついには私が過労で倒れてしまったんです」
これは,どちらも,痴呆のご主人を介護して3~4年になる70代,80代の女性の間でかわされた会話です。
6月のある日,私たち介護者サポートネットワークセンター・アラジン(以下,「アラジン)と略)のスタッフは,事務所近くのデイサービスが主催する「介護者教室」の終了後に,「介護者の茶話会」を開催しました。介護者教室自体は,区の事業ということで茶話会の事前PRはできませんでしたが,7人の方が茶話会に参加してくださいました。
参加者7人の内訳は,夫の介護をしている方が2人,実母の介護が4人,姑の介護が1人。はじめの会話のお2人以外は,いずれも40~50代の女性でした。
「自分だけかと思っていたけれど,皆さんご苦労なさっておいでなのねえ…」
「話を聴いてもらうだけで,とても助かります」
参加者のまだまだ話し足りない!という声にこたえて,来月も茶話会を開催することになりました。アラジンでは,こうした介護者が気軽に集まる「たまり場」づくりの支援活動をはじめ,“ケアする人のケアを”を合い言葉に,社会的に孤立しがちな介護者を支えるさまざまな活動を行なっています。
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