特集 介護支援専門員の守備範囲―困難事例への対応を考える
介護支援サービスにおける処遇困難ケースとその対応―基幹型在宅介護支援センターでの活動を通して
三橋 由佳
1
1川崎市住宅福祉公社北部事務所多摩・麻生区基幹型在宅介護支援センター
pp.495-502
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100528
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はじめに
基幹型在宅介護支援センター(以後,「基幹型」と略)に嫁いで,あっという間に3年が経過した。それ以前は訪問看護にどっぷりと浸かっており,当初は「看護という分野では,解決できないことはない」などと,かなり傲慢な思想を展開していた。ところが,やればやるほど「看護だけでできることには限界がある……」と,感じることが多くなり「在宅における看護って何だろう」と考えこむ日々が続いた。
訪問看護は“医者とつながっている”という安心感を提供することが,患者(利用者ではなくあえて患者と言わせていただきます)に一番ありがたみを感じてもらえるところであり,“生活を支えてくれる一員である”などと考えてくれる人はいなかった。そうなったのは,看護師側にも問題があり,誤解を恐れずに言うならば,「在宅では看護師が医者の代わりができる,ミニ医者になれる」と思っている看護師が多かったからではないかと思うのだ。
そのため,つい指示的で高飛車になり,病院ではないということを忘れ,なんでも在宅で展開しようとした。そして,最終的には「訪問されると肩が凝る」とまで言われる存在になってしまった。
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