連載 訪問看護 時事刻々
今月の話題 介護保険制度見直し―ホテルコスト
石田 昌宏
pp.455
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100522
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介護報険制度もスタートして4年目に入った。制度がうまく定着するかという当初の不安を払拭し,むしろ,特に要支援・要介護1・2といった比較的状態の軽い利用者の数が増え,財政状況が不安になってきているとの声も大きい。また,自立支援を理念に掲げながらも,実際には要介護度の改善がみられないケースが多いとの指摘も強くある。4月26日に行なわれた厚生労働省の社会保険審議会介護保険部会でも,論点が整理されているが,その資料には280項目近い意見が列記され,制度見直しに向けて非常にたくさんの課題があることがわかる。
特に在宅と施設のあり方については,「可能な限り居宅で」という方向性を確認しながらも,そうとはいえない現状を改善するための意見が並ぶ。同じ介護度であれば,施設・在宅ともに給付額を同じにすべきという意見もあり,全体的には施設入所に関する負担を増やすことに集約されそうだ。
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