特集 口腔ケアに目を向ける
介護保険制度における口腔ケアと口腔機能向上―居宅療養管理指導と口腔機能向上プログラムの実践
池山 豊子
1
1(社)愛知県歯科衛生士会
pp.838-841
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100336
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口腔機能向上サービスへの期待
高齢者・障害者の口腔ケアが遅々として普及しない現実。それを目の当たりにして,これまで多くの歯科衛生士は悩んできた。要介護高齢者は心身機能の低下とともに口腔清掃の自立性と巧緻性を喪失していくが,その口腔清掃をケアとして委ねられるサービス提供者がいつもそばにいるとは限らない。訪問介護や訪問看護の一環として口腔ケアが業務に位置づけられていなければ,その要介護高齢者の口腔はほとんど観察すらされることがない。口腔ケアが適切に行なわれていれば防ぐことができたであろう口腔機能の低下と,それによる摂食障害や口腔疾患がこれまでにどのくらい見過ごされてきたのだろうか。
この4月,「口腔」という言葉がやっと介護保険制度に浮上してきた。そこに「口腔機能の向上」という摂食障害を視点に定めたサービスが,主に通所系サービス事業所において実施される機能訓練の一環として導入された(口腔機能向上加算)。予防給付の対象者は100単位(月1回算定),介護給付の対象者は100単位(月2回まで算定可)である。
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