特集 在宅医療への追い風に乗る―訪問看護の新たな事業展開と在宅療養支援診療所
―在宅療養支援診療所と訪問看護の連携―期待される訪問看護のあり方と課題
太田 秀樹
1,2
1医療法人アスムス
2おやま城北クリニック
pp.671-674
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100306
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はじめに
我々が在宅医療を開始したのは1992(平成4)年4月であるから,すでに15年目をむかえた。当時から24時間365日の対応を行ない,訪問看護を在宅医療の根幹に位置づけていた。この我々のスタイルは,はからずも今年制度化された「在宅療養支援診療所」の要件をそのまま満たすものだったため,医療法人アスムスの在宅医療に関心を深めていただいたのだろうかと思っている。
しかし,もし提供されるケアが制度によって変わるとすれば,これは大変おかしなことで,ニーズに忠実に提供しているつもりである。したがって,我々の在宅ケアの内容は,従来と何ひとつ変わらない。もちろん,在宅療養支援診療所が制度に盛り込まれたことを否定的に評価しているのでない。むしろ,まじめに在宅ケアをすすめている在宅医や訪問看護師らの役割が,診療報酬上で正当な評価を得られ始めたのだと歓迎し,ありがたく思っている。
本稿では,在宅医療の経験から,期待される訪問看護のあり方や課題について述べてみたい。
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