連載 つなぐ―親子2代・5
銭湯
中島 キミエ
1
,
中島 まさ子
1
1鶴の湯
pp.445
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100263
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鶴の湯は東京・千駄木の住宅街にある下町情緒あふれる銭湯だ。初代の菊次郎・キミエ夫婦が富山から上京して鶴の湯を始めたのが大正15年。息子秀一さんのもとに富山から嫁いできたキミエさん(お姑さんと同じ名前)は,当初は鶴の湯からのれん分けした東日暮里の大黒湯で,その後は初代から受け継いだ鶴の湯で番台に立ち,夫とともに骨身を惜しまず働いてきた。
娘のまさ子さんは四人姉妹の三女。「銭湯は,お客さんにその日あった嫌なことを全部洗い流して,気持ちよくなって帰っていただくところ。そのときの笑顔を見るのが何よりの楽しみなんです」と話す。6年前に父の秀一さんが亡くなってからは,妹さん家族にも助けられて,今日まで鶴の湯を切り盛りしてきた。「やっぱり鶴の湯さんのお風呂でないと駄目」という常連のお客さんの応援もある。
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