連載 訪問看護 時事刻々
今月の話題 不正請求
石田 昌宏
pp.565
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100170
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介護保険制度見直しが佳境に入ってきた。郵政民営化法案の動向次第でどうなるか分からないが,今号が出る頃には成立しているだろうか。介護予防を進めるための法改正といわれているが,その一方で,施設の給食費などを給付からはずしたり保険料を引き上げたりと,利用者の負担が増える方向の見直しでもある。
2004年度には介護保険が実質赤字となった市町村が300近くにのぼるなど,財政の厳しさが指摘される中の見直しなので,“大切な制度を維持するために,負担増と給付減は仕方ありません”という意図が見え隠れする。だからうがった見方をすれば,介護予防の推進についてでさえ,給付を増やしたくないから無理にお年寄りに運動をさせて要介護にさせないようにするための策略だろうと勘ぐってしまう。つまり制度運営に対する信頼が十分ではないのだ。
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