調査研究
リハビリテーション看護領域におけるチーム活動の実態と理論モデル適用の可能性
野々村 典子
1
,
石鍋 圭子
2
,
宮腰 由紀子
3
,
奥宮 暁子
4
,
土屋 陽子
1
,
川波 公香
5
,
穂積 恵子
6
,
吉田 真季
7
1茨城県立医療大学看護学科
2東京都リハビリテーション病院
3広島大学保健学科
4大阪大学保健学科
5東京慈恵医科大学看護学科
6聖隷クリストファー看護大学看護学科
7前野村総合研究所
pp.920-926
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902288
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はじめに
筆者らは,リハビリテーション(以下,リハ)看護の専門性確立にむけた研究活動を積極的に行なってきている。わが国におけるリハ看護概念の変遷についての1945年以降の文献レビューによると1),リハ看護の概念について記述している成書は16冊であり,著者10人の内訳は医師6人,理学療法士1人,遠藤,落合,石鍋の看護婦3人のみであった(奥宮による)。専門性の明確化を遅らせている一因として,リハ看護学の枠組みの未成熟さや組織的なリハ看護の基準等の成文化やその公開化がないことと考える。
なぜ,医師によるリハ看護の概念の記述が多いかは,江藤が記しているように2)リハ・チームの一員としての看護への役割期待であろう。リハ領域は精神領域と並んで,特にチーム医療が強調されてきた。看護の立場からもチーム医療における看護の役割について文献が増えてきている3)。しかし,筆者らのリハ・チーム全メンバーを対象とした全国調査結果によると1),職種問の連携度合いについては,「連携がうまくいっている」と答えた割合が高い職種は,婦長職以上の看護婦(以下,看護管理者),医師,ソーシャル・ワーカーであり,臨床心理士は約40%と低く,作業療法士,理学療法士,言語聴覚士はさらに低かった(図1,表1)。この結果が示すように,多職種によるチーム医療実践者の連携への意識は高いといえない。
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