特集 リエゾンナースを活用する
リエゾンナースをコンサルタントとして活用する方法
小代 聖香
1
1聖路加看護大学大学院博士課程
pp.216-221
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901882
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看護者によるコンサルテーションの必要性と有効性
リエゾン・ナーシングは,コンサルテーションのプロセスと精神看護から発展した看護実践のためのモデルである.Caplan, G. はコンサルテーションを「クライエントのケアを改善するための2つの専門家間の相互関係のプロセスである」と定義している1).リエゾン・ナーシングは,リエゾンナースの持つ精神看護の専門性と他の分野の看護の専門性とを合わせて,より質の高いケアの提供を図るものである.
米国の看護においては1960年代前半から,病院の病棟間でお互いの専門性を提供しあうコンサルテーション活動について報告され始めた.当時は,看護者にとってお互いの能力を活用しあうコンサルテーションという概念は馴染みのあるものではなかった.しかし,精神科病棟の看護者が内科外科病棟の看護者にコンサルテーションを実施しはじめ,例えば「混乱させられる患者」「問題患者」といわれるような患者の看護について相談されるようになった.その活動が進むにつれて,精神科看護者が精神心理的問題の解決の手助けになると分かるようになってきたのである.
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