特集 ひろがる患者ニーズと看護・医療サービス
コーディネーターとしての看護婦について考える―『ふれあいの医療ガイド』を読んで
河口 てる子
1
1東京大学医学部保健学科保健社会学
pp.299-301
発行日 1991年9月15日
Published Date 1991/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901841
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
この本では,全国の(といっても関東が中心だが)病気を持つ人の患者会や家族の会,健康を守るための活動をしているグループ,一般の人が利用できる保健所の活動,病気になった時や障害を持ったときに利用できる公的な生活援助制度などが,内容紹介付きで豊富にのせられている.病気を持っ人やその家族は,病院だけを頼りに,孤立してじっと病に耐えているのが普通かもしれない.しかし,同じ病気や悩みを持つ人がお互いの経験を伝え合い,助け合って病に立ち向かえれば,どんなに助かることだろうか.どんなに不安が少なくなることか.そんな時に患者会やグループを見つける手助けをするのが,この本である.
私は,同じ病気や悩みを持つ人は,彼らが望むならお互いに学習し合い,助け合って積極的に人生を生きるのが,より望ましいと考えている.しかも,その時に患者と各グループや制度を結びつけるきっかけに,看護婦が関わっていてほしいと切に望んでいる.しかし,なかなか現実はきびしいものがあり,看護婦はそのようなグループの存在や公的諸制度の利用方法について情報を持ち得ないでいる.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.