特集 母親と助産婦のきずな
お母さんとのふれあいを求めて
山本 年映
1
1横浜赤十字病院
pp.262-266
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900059
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今年の正月,十数枚の年賀状が病院に届きました。差し出し人の名前を見ただけでは,「あれ。誰だっけ」と思うものもありました。裏返してみると,今流行の写真入りの年賀状。そこにはまだヨチヨチ歩きながら,わんぱくそうな男の子や,可愛い女の子が笑っています。この年賀状を見ながら,私は1冊のノートを取り出して,年賀状と照らし合わせました。
そのノートは,助産婦学校の卒業記念に頂いた分娩台帳です。病院の記録とは違い簡単なものですが,私の大切な記録です。まだ2年目の経験者でしかない私にとって,この台帳を開くことは,これまでのお産を思い出すには格好の材料です。「あーそうだ。この時遷延分娩で大変だったんだっけ」と,賀状のお母さんの名前を見つけ,写真を見直して,「こんなに大きくなって」とニンマリ。
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