特集 ひろがる患者ニーズと看護・医療サービス
ひろがる患者ニーズと看護・医療の隙間―『ふれあいの医療ガイド―医者に行ってもわからないことがわかる本』の編集体験より
堀越 栄子
1
1日本女子大学家政経済学科
pp.278-284
発行日 1991年9月15日
Published Date 1991/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901838
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はじめに
私たちは,今年の2月,『ふれあいの医療ガイド─医者に行ってもわからないことがわかる本』(堀越・根本編,学陽書房)を出版しました.健康や医療にかかわる草の根レベルの活動を集めた本です.病気や障害,老化とうまく共存し,自分らしい暮らしをつくりあげていこうとしているグループや,それを援助しようというグループ,医療機関などが400あまり紹介されています.
医学や医療スタッフは大切な役割をはたしていると,私たちも思います.でも,一方で「患者・住民にとって,最善のサービスや手助けが何かを知っているのは,必ずしも医師(医療スタッフ)ではない」「医者に行ってもわからないことがたくさんある」「医者が治せる範囲は限定された部分にすぎず,完全にモトの状態にもどしてくれるわけではない」とも思います.そこで,名医ガイドでも良医ガイドでもない,経験者の元気と知恵を伝えるこの本をつくりました.
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