特集 保健活動の対象を捉えなおす
対象として見落としがちな事例
②中学生の自殺予防―思春期ふれあい体験学習を通じて
田原 由起子
1
,
糸永 歌代子
1
,
執行 理恵
1
,
馬場 みちえ
2
,
中嶋 カツヱ
3
,
井上 つぐみ
4
1久留米市三潴支所
2九州大学医学部保健学科(地域看護学)
3久留米大学医学部看護学科(母性看護学)
4久留米市立三潴中学校
pp.203-207
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100056
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
中学生の姿に「幼さ」と「寂しさ」を感じた保健師が,学校とともに,生徒が命の大切さを学ぶ体験学習をスタートさせた。地域に中学生の心を育む体制をつくる――そのために必要な事業とは,その対象とは。
中学生の心の問題に対して
従来から学校現場では,心の問題,性の問題に対する取り組みが行われているが,最近の思春期をとりまく社会環境は激変しており,学校だけでは問題を解決できない状況になっている。厚生労働省は1995年から「思春期における保健福祉体験事業」を,そして文部科学省は1996年から地域ぐるみの体制確立をめざす「中・高校生保育体験等推進事業」を推進している。各市町村では学校と一体となって,思春期の生徒が生命のつながりや尊さについて考える「思春期ふれあい体験学習」が乳児健診などを利用して行われるようになった。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.