外来に変化を・3
セルフ・ヘルプ・グループの組織化と維持―1.セルフ・ヘルプ・グループの特性と看護婦の役割
久保田 加代子
1
1筑波大学付属病院
pp.257-262
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901832
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看護は人を援助する仕事である.看護婦と患者の"援助する人―援助される人"の関係は,ともすれば"知っている人―知らない人"の一方的な関係になりやすい.しかし,自分の経験に照らしてみると,「ほとんどの援助関係で,知っているのは被援助者であり,知らないのは援助者なのである1)」というCombsらの指摘にうなづく看護婦も多いであろう.患者が自分の手術の経験を他の術前患者に話しながら力づけている場面,新しい入院患者に入院生活上のアドバイスをする場面など,看護婦の行なう専門的援助とは違う,体験者だからできる援助が患者どおしの間で行なわれている.看護婦よりはるかに実用的な情報を多く持ち,タイミングよい援助を行なう力を持っている.このような患者のもつ力に看護婦はもっと働きかける必要がある.
看護は患者の個別のニーズを重要視するが,看護婦の働きかけ方を見ると,集団を念頭においていることが多い.例えば,病棟,病室という単位の中で患者を捉えて,患者間でケアの優先順位をつけたり,ベッドを決めたりする.看護婦の働き方も3交替制,チームナーシングが一般的であり,個人としてより小集団としてものごとを決めていくことが多い.
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