特集 看護の質を評価する指標開発の動向
米国看護師協会の看護質指標―米国での収集の現状と日本での実用化にむけて
山岸 まなほ
1
1東京大学大学院医学系研究科看護管理学分野後期博士課程
pp.431-436
発行日 2002年6月10日
Published Date 2002/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901646
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はじめに
現在の日本には看護の質を評価するための情報収集システムが整備されている医療施設はほとんどなく,看護の質評価を行なう必要性が叫ばれるとともに,さまざまな質評価方法が検討されてきた。
一方,米国では質評価に対する取り組みがさかんである。その背景には,米国には病院に運営許可を与える病院評価認定機関が存在することが挙げられる。多くの病院は,運営許可を得る条件である一定の質を維持するために,質保証部門を設置したり,リスク管理コンサルタント企業による第三者評価を導入したりするなど,質改善のための情報収集・計画立案を行なっている。しかし,病院看護の評価方法としては,過程を評価するRush-Medicus SystemやQuality Patient Care Scale(QualPacs)などが多く用いられているものの1),これらの実施には多くの人員や時間が必要で,現在の日本の病院が継続的に用いるには実用的でない。
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