調査研究
抗悪性腫瘍剤取り扱いの実態調査
齋藤 康子
1
,
高原 まり子
2
1株式会社アクティブライフ在宅サービス部
2同志社女子大学生活科学部
pp.959-961
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901564
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はじめに
現在用いられている抗悪性腫瘍剤のなかには,患者に対する晩発生毒性(発がん性)や,医療従事者に対する毒性,廃棄物による環境汚染の可能性が指摘されているものがある1)。特に,医療従事者にとって,被曝による急性中毒だけでなく,慢性毒性としての発がん性,変異原性,催奇形性,流産,精子毒性等は,健康上無視できない問題である2)。
そのため,米国には,取り扱いや保管上の注意,有害情報,環境影響情報,廃棄上の注意を記載した物質安全データシート(MSDS)がある3)。また,廃棄物処理に関しては,全米48州でRMW(規制医療廃棄物)を定義し,抗悪性腫瘍剤としての分別処理が徹底されている4)。しかし,日本では,このような対応がなされておらず,米国に比べても著しく遅れているのが現状である。
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