トピックス
抗癌剤の取り扱いについて
遠藤 一司
1
1国立がんセンター東病院薬剤部
キーワード:
抗癌剤
,
細胞毒性
,
安全キャビネット
Keyword:
抗癌剤
,
細胞毒性
,
安全キャビネット
pp.932-933
発行日 2006年8月15日
Published Date 2006/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100695
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
1.抗癌剤について
抗癌剤の起源は,第2次大戦中にドイツ軍のイペリットガスを積んだ船が沈没し,そのときの乗員に重大な白血球減少がみられたことから,抗癌剤の開発が始まったといわれている.そのことから,DNAをアルキル化するマスタードガスがホジキン病やリンパ腫に効果があると考え,ナイトロジェンマスタードが癌の治療に用いられるようになった.その後,様々な抗癌剤が開発されてきた.
従来の抗癌剤は元来すべての細胞に細胞毒性(cytotoxic)をもっていたが,最近は癌のみを標的にする抗癌剤が開発されるようになってきている.しかし,現在でも多くの抗癌剤が細胞毒性をもっている.したがって,抗癌剤を取り扱う者は十分に注意する必要がある.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.