特集 新しい時代の新人教育システム
大規模病院における新人研修
㔟川 瑠美子
1,2
1大阪医科大学附属看護専門学校
2前:大阪医科大学附属病院看護部
pp.176-182
発行日 2001年3月10日
Published Date 2001/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901378
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はじめに
新しい世紀を迎え最初の「成人の日」に,各地で起こった若者の言動が嘆かわしいこととして報道された。この論議は,この場ですることではないが,世の中の変化,若者の有り様(よう)の同一線上に看護職を目指す学生や若者がいることの理解はしておく必要がある。これまでは私たちの後輩は確たる目的をもち,目標を定め,そのことに挑戦している若者たちであるから,それほど軌道を踏み外すことはないと思っていたいが,その思いも,昨今自信をなくしつつある。
このような変動の時代だからこそ,基本に戻り,基礎づくりを大切にしたいと考えている。新人を職場に迎えるための教育は,看護の後継者を育てることであり,新しい時代になったからといって,基本的に大きく変わるものではない。しかし,医療に対するニーズが多様化する中で,看護職者に求められることは多く,看護へのニーズとして,量的拡大と質の高さが必要とされている。にもかかわらず,臨地実習時間は短縮され,実践に必要な基本的看護技術さえ不十分な状況で,新人は入職を余儀なくされている。このような中で,臨床と基礎教育とのギャップは当たり前と双方の指導者がこれを公認し,諦めてはいないだろうか。諦めずに,双方が工夫をし,そのギャップを少なくするための努力が必要と思われる。
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