特集 看護診断は看護を変えるか?
米国の大規模病院における看護診断の導入の事例
佐藤 芙佐子
pp.998-1003
発行日 1992年11月1日
Published Date 1992/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900742
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はじめに
米国では,1950年代初めにおけるMcManus, Fryらによる提唱以来,1973年の全米看護診断分類会議(National Conference on the Classification of Nursing Diagnosis,1982年に北米看護診断協会North American Nursing Diagnosis Association:NANDAに改称)の発足とその後の進展,1980年の米国看護婦協会(American Nurses Association:ANA)の社会政策声明,1987年のANAに対するNANDAの分類用語明確化案採用勧告などの進展により,看護診断の臨床の場への導入の環境が整えられてきた.また,看護実践に関する個々の患者の情報のEDP化(Electronic Data Processing=コンピュータによる情報処理)の広がりに伴う専門看護用語共通化の必要性の増大などが看護診断の導入を促してきた.
このような進展の中で米国の臨床の現場は看護診断をどのように導入し,どのように流用しているのであろうか.米国各地の病院についてこの問題を横断的に調査した例は残念ながら今のところ見当たらない.導入の時期や範囲・方法について大幅な差があることは容易に想像できるところである.
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