焦点 感染管理によって変わる看護
[座談会]ICNと共に感染管理に取り組んで
福岡 ユキ子
1
,
関口 孝子
1
,
金野 道子
2
,
瀬川 美子
2
1盛岡市立病院
2岩手県立沼宮内病院
pp.777-783
発行日 2001年10月10日
Published Date 2001/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901312
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感染管理に取り組んだきっかけ
福岡 盛岡市立病院の総看護婦長を務めて2年目になります,福岡です。感染管理とは,患者さんの安全と安楽を保証する,最も大事なポイントの1つです。どんなに手術や治療がうまくいっても,医療全体の感染管理ができていないと,結局患者さんに安全を保障することはできないわけですから,これは私たち看護職の責務だと思います。
私は,1993(平成5)年から内科の婦長をしていました。当時は,MRSAの問題が大きくなってきた頃でした。保菌者のいる部屋にはシートを敷いたりしてお金はかかるし,医療者は重装備で患者さんとのコミュニケーションは悪くなるし,看護婦の仕事は増える一方だったんです。感染管理に関する誤った考え方や,根拠のない多くの情報があふれていて,患者さんも看護婦も本当に気の毒な状態だったんです。当院では,1992(平成4)年に,病棟ごとの感染管理マニュアルを作ったのですが,実践方法が統一されていなかったり,感染管理に対する考え方が変わったり,その都度医師に尋ねたりしていました。私たち自身に確固たる根拠がなかったからなんですね。
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