焦点 感染管理によって変わる看護
専門家の活用と現場の成長―感染防止係の立場から
稲田 裕子
1
,
松浦 真里子
1
1岩手県立沼宮内病院
pp.784-788
発行日 2001年10月10日
Published Date 2001/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901313
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はじめに
岩手県立沼宮内病院は,岩手県盛岡市より北へ約30kmの岩手町にある,地域型小規模病院である(表1)。町の人口は約1万8000人,世帯数は約5300世帯であり,老人世帯も多い。そして,この特徴として,シルバーカーを押しながら病院にくる姿がよく見られる。これは,農業・林業に携わっていた人が多く,自分のことは自分でするということ,また,病院を憩いの場として利用している人が多いからである。
当院の感染防止対策への取り組みは,主任看護婦会の活動の1つとして,1999年より進められてきた。主任会の一員である感染防止係のリーダーIは,前任病院でのMRSA保菌者の看護経験を経て,当院における対策の見直しの必要性を痛感していたが,自分1人の取り組みだけでは改善につながらないと葛藤していた。1999年,感染看護専門看護婦(ICN)の導入により,病棟全体で取り組まねばと強く思うようになり,感染防止係を組織化した。その後2年をかけて,感染防止係が修得した知識をスタッフに理解してもらえるよう働きかけ,共に対策の実践に努めた。
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