特集 看護の視点を生かすコーディネーター
科学性と倫理性の狭間で―治験コーディネーターの役割
小原 泉
1
1国立がんセンター東病院
pp.748-753
発行日 2001年10月10日
Published Date 2001/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901307
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
1998(平成10)年4月より,新GCP(Good Clinical Practice:医薬品の臨床試験の実施における基準)が完全施行され,治験実施体制の整備が求められている。GCPの目的は「被験者の人権,安全,福祉の保護」のもとに治験の科学的な質と成績の信頼性を確保することであり,そのための専任スタッフとして医療機関に治験コーディネーター(Clinical Research Coordinator;以下CRC)が配置されるようになった。
したがってCRCの役割は,治験の倫理性および科学性の確保にあり,GCPの目的からも明らかなように治験の倫理性は科学性よりも常に優先されなければならない。CRCがこのような役割を果たすにあたっては,直接的に患者に関与するだけではなく多職種から成る医療チームをいかにまとめあげるかという調整力(Coordinate)が求められ,医療スタッフとの連携は重要である。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.