特別記事
病院組織に機能別チーム制を導入して―白衣を脱いでマネージャーとしてチーム医療にかかわる
佐田 和子
1
1医療法人健育会熱川温泉病院
pp.742-747
発行日 2000年9月10日
Published Date 2000/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901278
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時代に即した未来の病院のあるべき姿を求めて
熱川温泉病院は,1965(昭和40)年12月に,当時としては珍しい温泉を活用したリハビリテーション病院として開設されました(表1)。その後,増床を重ね,1996(平成8)年7月に全面的な改築を機に一般床37床,療養床144床,計181床のリゾート型リハビリテーションの病院として新たにスタートしました。
現在の厳しい医療環境の中で,これからの病院はクライアントのニーズを的確にとらえて,医療の質を重視しながら,「効率」と「効果」をキーワードとして変革をしていく必要があります。当院においても,旧体制下の病院の経営では円滑かつ効率的とはいえず,抜本的経営改善を図る必要がありました。そしてようやく1998(平成10)年度より,私たちの組織は,「医療を通じて,患者様,職員ともに心豊かになる病院づくりをめざします」を理念にかかげ,どのようにすれば患者に満足した医療サービスが提供できるか,すべての職員が充実した仕事ができるか,ということを課題に具体的改革に着手しました。その結果,患者を中心にしたチーム医療をめざし,組織をフラットにして部門間のセクショナリズムをなくし円滑な運営をするために,病院組織を再編し,病棟単位の運営ではなく,機能別にチームを編成する,マネージャー,チーフ制(後述)を導入しました。
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