特集 医療材料の適正使用に向けて
見直しの実際
4・経中心静脈栄養法(IVH)―三方活栓を使用しない方法へ
中丸 壽美
1
1藤間病院
pp.460-462
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901219
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はじめに
経中心静脈栄養法(intravenous hypralimentation:IVH)は,1968年に米国のDudrickらによって研究開発され,高カロリー輸液の方法として始められた。日本では1976年に登場したが,末梢輸液に比べて高カロリーの輸液が可能であり,刺し替えが少なく長時間苦痛なく行なえるので,臨床栄養法のかけがえのない手段として定着している。
当院は,外科,内科,整形外科,産科,婦人科をメインとする158床の地方の民間病院であり(表1),IVHを施行している患者は平均5名と少数である。しかし,日常看護業務の中では,患者の姿勢などにより一時的に輸液がストップした場合に生じるカテーテル閉塞のほか,不穏やせん妄,ICU症候群などにおける自己抜去,さらには感染による発熱など,看護面で苦慮することが多い。そのためこれらを改善することの必要性は感じていたが,コスト意識などは考えてもみなかった。しかし今回,安全性,経済性を含めてその方法を見直す機会を得たので報告する。
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