連載 町看護婦から医療を見ると・4
要介護認定訪問調査
新田 幸代
1
1新田クリニック
pp.344
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901197
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私は介護支援専門員として,介護保険要介護認定のための訪問調査を委託され,実施するようになりましたが,日常の生活をある点で切り取って客観的に判定し,介護を必要とする状態を選別しようとする介護保険の方法論には,大きな疑問を感じています。
厚生省の資料には,「日常生活に明らかな支障のある筋力低下がある場合を麻痺等とする。日常生活に支障がない場合は該当しない」とされています。今まで関わってきた患者さんのところへ訪問調査に伺うと,「日常生活に困っているかどうか」という視点(介護保険訪問調査における定義)で切り取ろうとしても,ご本人や家族が何とか頑張って日常生活を維持している状況を共にしてきていると,こうした定義に割り切れない気持ちになってしまうのです。困ったり,悲しんだり,喜んだりという生活の揺れが,リアルに思い起こされてしまうからです。
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