特集 誌上フォーラム 当院のリスクマネジメント
―神戸市立中央市民病院―組織をあげて改善に取り組む
広畑 朱美
1
1神戸市立中央市民病院看護部
pp.198-203
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901170
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はじめに
当院は地域の基幹病院として市民の期待も大きく,1次から3次までの24時間救急医療や高度医療を提供することを病院の基本理念としている。業務は極めて多忙であり,事故を起こしやすい背景・要因は多分にある。他施設での事故報道を聞くたびに他人事ではなく,不安と焦りを抱いてしまう。特に昨年起きた東海村の臨界事故は,医療の場ではなかったが,大きな衝撃を受けた。「作業手順を守らず改変していた」とか「職員の知識・経験不足」などが指摘されているが,私たちの職場に置き換えてみて深く考えさせられることが多かった。
最近特に,「リスクマネジメント」が問われているが,私たちの看護部でもその一環として事故防止についての努力をしてきた。これらはどこの病院でも行なっているレベルで,まだまだ不足していることが多いが,私たちが「患者・家族の安全を守り,質のよい医療を提供するにはどうしたらよいか」,また「職員が健全で安心して働き続けるために何をすべきか」を考え,長い歳月をかけて地道に活動してきた歩みを紹介する。この取り組みは看護部全体で幅広く実践してきたが,今回は総務担当副部長と安全対策委員長の立場からまとめたものであることをお断りしておきたい。
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